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古代エジプトでなぜミイラが作られたか?その理由とは?

ミイラと聞くとハロウィンによく出てくる
包帯グルグル巻きのお化けというイメージがあるのではないでしょうか?

エジプトでは最近新たに100個の棺が発掘された
というニュースが流れています。

ここでふと

『ミイラって何のためにあるの?』
と考えたことありませんか?

多くの宗教では土葬など遺体は
自然に帰るというのが一般的に多いです。

ところが古代エジプトでは、
人が亡くなると身体を生きていた時と同じ状態にしよう
という考えがあったようです。

では何のために残していたのか。

この記事では・遺体保存の目的・保存方法がわかるようになっています。

ではそんな謎に包まれたミイラについて触れてみましょう。

古代エジプトで死者の国があると言われていた

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日本にも「黄泉の国」(よみのくに)
という死後の世界があるように
古代エジプトにもそのような国があると考えられています。

人は亡くなると死者の国で復活すると言われていました。

特に王(古代エジプトでは『ファラオ』と呼ばれていた)が亡くなった場合、
死者の国で再びにファラオとして復活するとも考えられていました。

日本でも亡くなると、来世へ行くと昔から伝えられていますよね。

しかしながら、決定的な違いは亡くなった方の遺体を
どのようにするかという点になります。

日本の場合は御霊(魂)だけが
次の世界に向かうと言われています。

一方、古代エジプト人は死者の国で復活するには
遺体を完全な状態にしなければならない
という考えがあったとされています。

そのため遺体を長期保存する
ミイラが作られたのではないかと言われています。

ではミイラはどうやって作られていたのでしょう。

古代エジプトのミイラの作り方

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体を洗い、腐敗が進行しやすい内臓を取り除いて
取り出した内臓、壺の中に収められます。

ただし心臓はそのまま遺体に残します。

理由は様々ありますが、

  • 一つは死者の国へ行く途中で『死者の審判』というものがあり、
    それには心臓が必要であること。
  • もう一つは、心臓は知性の中枢である。   

と考えられていたようです。

ナトロンという塩で遺体を覆って漬け込み、
ある程度乾燥したら洗い流します。

目などくぼんでいるところには詰め物を入れます。

麻の布でグルグル巻きにして完成。

この一連の工程を70日間(およそ2カ月ちょっと)で
完了させるのが一般的と言われています。

と、ここでひとつ疑問が生まれます。

内臓を取り出したとはいえ、
その他の身体の部位はいずれは腐敗が進み、
原形を留めることはできません。

遺体をどうすれば腐らずに保存できたのでしょう。

古代エジプトのミイラには手作り防腐剤が!

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これは最近の研究でわかったことですが、
当時のエジプトでは
防腐剤のような役割のする成分が
ミイラから検出されました。

ゴマからとれたもの油と
アカシアという木から採れた糖分、
そこにマツヤニの樹脂を加えたものだと分かりました。

混ぜると殺菌、
腐敗が抑制されるという効果があるようです。

古代エジプトの人々がどうやってこの材料や
調合にたどり着いたのかは定かではありません。

しかしながら遺体保存の研究がこの大昔から始まったと考えれば、
当時のエジプト文明がいかにレベルが高かったのかがうかがい知れます。

まとめ

今回は古代エジプトのミイラが作られた理由について触れてきました。

~最大の理由:亡くなった人の身体を保存させるため~

なぜ保存が必要か

人は亡くなると死者の国で復活する
⇒それには身体を生きている時と
同じ状態にしないといけない
という考えがあった。

ミイラはどうやって作られるか(保存方法)

  • 身体を洗い、内臓を取り出す (心臓は残す)
  • ナトロンという塩を身体に覆い、乾燥させて洗い流す。
  • くぼんだ部分は詰め物(=形を整える)
  • 麻布で身体を巻く

身体全体の腐敗はどう食い止めていたか

  • ゴマから取れた油
  • アカシアの糖分
  • マツヤニの樹脂

これらを混ぜたものを塗ったことで、
殺菌効果が出て長期保存を可能にさせた。

ミイラを単なる人の化石のように思っていた方、
非常に多いと思います。

ですが、ミイラにはたくさんの知恵や
いきさつが詰まっていることがお分かり頂けたと思います。

紀元前何千年という時代には、
亡くなった方の行く末がどうなるか
という考えはあったようです。

しかし、古代エジプトの場合は
その思考だけではなくそれに合わせて
遺体をどのように処理をするか、
という具体的な処置までなされています。

エジプト文明が栄えていた紀元前3000年頃、
日本ではまだ縄文時代に当たります。

そのころから遺体の長期保存の手法が開発されたという点は、
科学的な面からみても高度な知識が備わっていた
と言っても過言ではありません。

現在のエジプトでは、ミイラに対する研究がずっとされています。

というのも、エジプトでは次々にミイラが発見され、
その度『今までの通説がもしかすると違うのでは?』
なんていう声も上がってきています。

まだまだ謎の多いミイラ。

その謎がさらに解明されれば、
当時の人々の生活ぶりや世の中の状況がもっと鮮明になるでしょう。

今後どのような発見があるのか非常に楽しみですね。